喜多院の五百羅漢について
喜多院の五百羅漢(ごひゃくらかん)の始まりは、これまで天明2年(1782)説がとられてきました。しかし近年、五百羅漢に関する詳細な調査が行われ、その経緯や造立年代などが明瞭になってきました。
それによると、本願主は川越北田島の志誠(しじょう)の他に蔦右衛門がいて、寛永8年(1796)に両名が発願しました。そして喜多院真珠院の協力を得て「五百羅漢建立募縁疏」を上木し広く寄進を募りました。羅漢像は翌年の寛永9年(1797)から文政8年(1825)のおよそ30年にわたって造立され、ほぼ完成したそうです。(寄付募金帳なる古文書が見つかっており、今後の研究が待たれるところです)
喜多院の五百羅漢は中央高座の大仏(おおぼとけ)に釈迦如来、両脇侍(わきじ)に獅子に乗った文殊菩薩と象に乗った普腎菩薩、左の高座に阿弥陀如来、右の高座に地蔵菩薩があり、大小の石仏像すべて合わせると538体です。このうち533体が羅漢像です。
五百羅漢の写真
【お土産・休憩所と五百らかん入口】
五百羅漢の見学
小江戸川越観光の中で、ことのほか人気の高いスポットが喜多院の五百羅漢です。五百羅漢は山門から境内に入った右側の石塀の中にあります。
休憩所となりの入口から入場券を渡し一歩中に入ると、見事な石仏群が目に飛び込んできます。像はそれほど大きくありませんが、立像、坐像、臥像、どれも表情ゆたかでユーモラスなしぐさなものばかりです。
【内緒話をしている羅漢像】
上の写真はガイドブックや観光パンフレットの写真でよく見かける、内緒話(ひそひそ話)をする羅漢像です。五百羅漢の中ではもっとも有名な像でしょうか。灯明皿に油(お酒ではありません)を注ぐ像も有名ですね。
【にこにこ顔の羅漢像】
大半の羅漢像には、首の切断痕や腕が失われるなど、破壊された傷跡が残っています。現在は修復されていますが、明治初めに起きた廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)運動によって、全国各地でこのような仏教施設(寺院・仏像など)の破壊が行われました。
【落ち込んだ様子の羅漢像】
羅漢とは阿羅漢(あらかん)の略称で、仏教の苦しい修行の末に悟りを開いた聖者のこと。しかし、喜多院の五百羅漢はどれも人間味あふれる像ばかりです。精緻に彫刻された500余りの羅漢ひとりひとりの顔を眺めていくと、自分と似た羅漢に出会うとされています。
【どの羅漢像も表情豊かです】
見るものを楽しませてくれる喜多院の五百羅漢。見学の際はぜひ自分に似た羅漢さんを見つけてくださいね。
(次ページ、喜多院の庭園、喜多院の紅葉に続く)
五百羅漢のご案内
名称 | 喜多院の五百羅漢 |
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場所(住所) | 埼玉県川越市小仙波町1-20-1 地図で確認 |
拝観料 | 客殿、書院、庫裏、慈恵堂、五百羅漢は、拝観料を払うと内部を見学することが出来ます。大人400円、小・中学生200円 |
拝観時間 | 3月1日~11月23日 平日 8:50~16:30、日曜祝日 8:50~16:50 11月24日~2月末日 平日 8:50~16:00、日曜祝日 8:50~16:20 |
拝観休み | 12月25日~1月8日、2月2日~4日、4月2日~6日、8月16日、宝物特別展開催日の前後。その他、院内行事のある日。 |
駐車場 | 喜多院に有料駐車場あり |
電話番号 | 049-222-0859(喜多院拝観寺務所) |
備考 |
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