酉の市と熊手について
酉の市(とりのいち)とは、毎年11月の酉の日に各地の鷲(おおとり)神社で行われる祭礼です。酉のまち、お酉様ともいいます。
はじめての酉の日を「初酉」または「一の酉」、次を「二の酉」、三度あれば「三の酉」といいます。以前はこの日に農具市が立って(農具として用いられる)熊手を売っていました。やがて、熊手は「物をかき集める」道具からこれに縁起を付け、飾り付けした縁起物としての熊手を売るようになりました。お多福の面や紙製の大判小判、千両箱のほか、福人を付けて福を入れるとか、五合升(ます)を二つ付けて増々(ますます)繁盛(半升)など、今日のような華やかな熊手ができるようになりました。
川越熊野神社の酉の市は、毎年12月3日
埼玉県では川越市の熊野神社をはじめ、久喜市(大酉祭)、小川町(緑町不動尊の酉の市)、熊谷市(高城神社の酉の市)、さいたま市(武蔵一宮氷川神社の十日市、調神社の十二日まち)、川口市(川口神社のおかめ市)など、各地で酉の市が開かれます。とくに毎年12月10日に開かれる武蔵一宮氷川神社の十日市は、様々な露店約2,000軒が立ち並び、多くの参拝客でにぎわいます。
川越酉の市の写真
【川越 熊野神社の酉の市】
熊野神社の酉の市を見学
毎年12月3日は川越市連雀町の熊野神社境内で「酉の市」が開かれます。いつもはとても静かな神社ですが、この日は縁起物の熊手を買い求めたくさんの人たちで賑わいます。
【熊手を求め、大勢の人が訪れます】
酉の市は、大鷲神社の例祭です
熊野神社の境内には大鷲神社(おおとりじんじゃ)があります。大正11年に南埼玉郡の鷲ノ宮神社の分霊を奉斎したと伝えられ、はじめ熊野神社に合祀されましたが、後に現在の社殿を建立し、遷座祭を執行して末社としました。
もともと酉の市は大鷲神社の祭礼です。そして本来、酉の日に行うのが慣わしですが、ここ川越では毎年12月3日と決まっています。
【大鷲神社例大祭(酉の市)】
なぜ12月3日に?
調べてみると「川越商工会議所七十五年史」には、同神社の酉の市の起源について「一九二八(昭和三)年、地元の露天商らが川越に酉の市がないのを憂えるとともに、秩父夜祭に人出を取られることを食い止めるために開いた」と記されています。
日本三大曳山祭の一つとして知られる秩父夜祭は、12月3日に開かれます。川越酉の市の開催日には、こんな理由があったのですね。
【商売繁盛・家内安全の縁起物】
けんらん豪華な特大熊手もあり
川越酉の市では例年15店ほどの店が熊手を販売しています。値段は1,000円から20万円を超えるものもあり様々ですが、売れ筋は1万円から2万円だそうです。熊手の購入が決まると、威勢のいい掛け声とともに三本締めが行われます。熊手は毎年大きくしていくのが良いとされ、酉の市では相当大きな熊手も見ることが出来ます。
【熊手の装飾は多種多様】
熊手には縁起物がいっぱい
熊手は「かき集める、かき寄せる」という意味から、福徳をかき集める商売繁盛の縁起物として取り上げられました。竹製の熊手には、お多福の面や紙製の大判小判、千両箱、米俵などが飾り付けられています。どの熊手も同じように見えますが、よく見ると一つ一つデザインが異なります。値段が高くなるほど作りが細かく、きらびやかで豪華です。
【子雀會による創作神楽】
酉の市奉納芸能
熊野神社の境内には神楽殿があり、当日は様々な奉納芸能が行われます。祭囃子の他、子雀会による創作神楽など子供も楽しめる演目が披露され、境内はとても賑やかです。
来年も(来年こそは)商売繁盛、家内安全、良い年になるよう、川越の冬の風物詩・熊野神社の酉の市へ出かけてみませんか。
(次ページ、熊野神社の境内にある太田道灌の山車に続く)
川越酉の市のご案内
名称 | 熊野神社の酉の市、大鷲神社例大祭 |
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場所(住所) | 埼玉県川越市連雀町17-1 地図で確認 |
開催日 | 12月3日 |
時間 | 11:00から深夜まで |
交通アクセス | 【電車】西武新宿線「本川越駅」下車、徒歩10分 |
電話番号 | 049-222-5556(川越市観光案内所) |
備考 |
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