岩畳について
秩父盆地の水を集めて流れる荒川が、長瀞の結晶片岩地帯を侵食することによって、岩畳(いわだたみ)と呼ばれる奇岩に富んだ断層谷や岩石段丘をつくりました。
岩畳周辺の河床には、紅簾片岩(こうれんへんがん)をはじめとする多くの結晶片岩が様々な形で見られます。なお、上長瀞にある「県立自然の博物館」では、これら岩石や地層の様子、様々な化石などの常設展示を行なっています。
岩畳と奇岩の写真
【褶曲(しゅうきょく)】 |
【紅れん石片岩】 |
【蛇紋岩】 |
【長瀞の岩畳】
長瀞といえば岩畳
長瀞を代表する景観、岩畳(いわだたみ)は幅80メートル、長さ500メートルにわたる広大な自然岩石です。露出した岩石は段丘をつくり、その名の通り一面に畳を敷き詰めたかのようです。
【岩畳と荒川】
地質学の宝庫
岩畳とその周辺では、かつて荒川の流れで出来た甌穴をはじめ、断層や褶曲(しゅうきょく)、節理(せつり)、片理(へんり)などが見られます。これら地殻内部の様子を観察できることから、長瀞は「地球の窓」と呼ばれ全国からたくさんの学者が訪れています。
【秩父赤壁と呼ばれる絶壁】
長瀞の秩父赤壁
岩畳の対岸にある絶壁を、秩父赤壁(ちちぶせきへき)と呼びます。高さ100メートル、幅500メートル。中国揚子江の名勝地「赤壁」に因んで名付けられました。
荒川の流れと一体となったこの素晴らしい風景は、まるで自然の芸術作品のようです。長瀞ライン下りでは、秩父赤壁から流れ落ちる明神の滝を眺めることができます。
【甌穴(おうけつ、ポットホール)】
甌穴を観察
長瀞ではかつて荒川の河床で形成された甌穴を観察できます。この穴は、川底のくぼみに小石などがはさまり、渦巻き状の流れによって次第に岩石が削られ出来たものです。岩畳には岩の割れ目や甌穴があり、それが大小様々な窪地をつくっています。水が溜まったこれら窪地は、四十八沼、いろは沼と呼ばれています。(こちらで、日本一の甌穴を紹介)
【「日本地質学発祥の地」の碑】
日本地質学発祥の地
埼玉県立自然の博物館の入口に、「日本地質学発祥の地」の碑があります。「発祥の地」の由来は、長瀞一帯が地質学上の重要な研究拠点となり、多くの地質学者を育てたからです。
この記念碑の岩石は「赤鉄石英片岩」と呼ばれ、白い石英を主体とし縦の縞模様に沿って暗緑色の赤鉄鋼をはさんでいます。碑の前後は「節理」と呼ばれる平らな割れ目、左右は「片理」という薄く割れる面からなっています。
また記念碑の周りには数種類の変成岩が展示してあり直に観察することができます。地質学に興味ある方は、ぜひ県立自然の博物館を訪れてみてください。
【虎岩、茶色のしま模様が特徴的】
長瀞を訪れた宮沢賢治
県立自然の博物館前から河原に降りると、正面に茶褐色と白色の縞模様をした幅15mほどの岩があります。表面がちょうど虎の毛皮のように見えることから「虎岩(とらいわ)」と呼ばれています。
「雨にも負けず 風にも負けず……」で有名な宮沢賢治は大正5年(1916)に長瀞を訪れ、「虎岩」の美しさを歌に詠みました。この歌は葉書に9首の歌を書き、無二の親友である保阪嘉内に宛て、小鹿野より送った中の1首です。
つくづくと「粋なもやう(模様)の博多帯」
荒川ぎしの片岩のいろ(色)
宮沢賢治
岩畳のご案内
名称 | 長瀞の岩畳(ながとろ いわだたみ) |
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場所(住所) | 埼玉県秩父郡長瀞町 地図で確認 |
料金 | 無料、自由に見学できます |
駐車場 | 長瀞駅周辺に有料駐車場あり |
駐車場料金 | 普通車1台あたり1日500円 |
電話番号 | 0494-66-0307(長瀞観光協会) |
備考 |
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