新河岸川の舟運について
新河岸川の舟運(しゅううん: 舟で貨物を運んだり交通すること)は、寛永15年(1638)の大火で焼失した仙波東照宮や喜多院の再建資材を、新河岸川を利用して運搬したのが始まりといわれています。
その後、この舟運を本格的に開始したのは寛永16年に川越藩主になった松平信綱でした。信綱は新河岸川に河岸場(かしば: 舟の発着所)を開設し、川には水量保持と安定化のための改修工事を行ないました。
幕末から明治にかけ新河岸川の舟運は全盛期を迎えました。しかし川越鉄道、川越電気鉄道、東武鉄道が開通すると荷物運送は鉄道に代わり、やがて衰退していきました。
昭和5年(1930)に河川改修工事が完成すると、水の流れは速く、水深も浅くなり舟運は困難になりした。そして昭和6年、通船停止命令が埼玉県から出され、約300年続いた舟運の歴史に幕が下ろされました。
※小江戸川越 春の舟遊は、川越氷川神社裏の新河岸川河畔で行われます
新河岸川観光舟運の写真
【新河岸川で行われた観光舟運の様子】
川越で観光舟運を体験
川越市の市街地を囲むように流れる新河岸川では、舟運(しゅううん)を川越の観光に生かそうと年に数回試験運航が行われています。今回、菓子屋横丁の近くの高沢橋上流から濯紫公園(たくしこうえん)前で、新河岸川 観光舟運が開催されたので見学してきました。
【長い竹ざおを巧みに操ります】
好天に恵まれた秋空の下、笠にハッピ姿の船頭さんが長い竹竿で船を操ります。ゆっくりと流れていく舟からの眺めは、また一味違うものがあります。
【新河岸川の観光舟運】
10人ほどが乗船できる和船で新河岸川の高沢橋から坂下橋の間約200メートルを往復しました。乗船時間は約15分、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいます。
【ハッピの「川越」の文字が粋ですね】
現在はまだ距離も短く雰囲気を味わう程度ですが、将来的には約2キロの運航を目指すそうです。今後定期的に運行できるようになり、川越観光の目玉になると良いですね。
【舟の運行ができるよう水かさを増しています】
新河岸川について
新河岸川は川越市の西部にその源を発し、川越市内の八幡橋を起点として、東京都北区の岩淵水門までの延長34.6km、流域面積389.9km2の一級河川です。
大正までの新河岸川は水量が豊かで流れも穏やか、舟運に向いている河川でした。この舟運の発展によって新河岸川沿いには多くの河岸場ができました。なお、新河岸川の名前の由来は、「新しくできた河岸場」を呼んだことに始まるとされています。
【川越夜船の模型】
川越夜船について
川越夜船とは並船(不定期の荷船)、早船(定期の貨客船)、急船(1往復3、4日かかる荷船)、飛船(超特急便、今日下って明日戻る)の4種類の船便のうち早船を指します。
早船は午後4時頃に新河岸川を出発して翌日の正午頃終点の花川戸(浅草観音裏)に着きました。夜を徹しての船路のため川越夜船と呼ばれました。
【新河岸川河畔の桜を眺めながら進む 春の舟遊】
新河岸川観光舟運のご案内
名称 | 新河岸川観光舟運(しんがしがわかんこうしゅううん) |
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場所(住所) | 春)川越市北公民館前 秋)高沢橋上流~濯紫公園前 地図で確認 |
日時 | 川越市のイベントカレンダー参照(※天候に関わらず、増水や渇水などにより中止になる場合があります) |
料金 | 無料 |
駐車場 | 駐車場なし |
電話番号 | 049-224-5940(観光課) |
備考 |
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