時の鐘について
城下町川越のシンボル、時の鐘(ときのかね)は、寛永年間(1624~1644)の頃、川越城主・酒井忠勝(さかい ただかつ)により常連寺の境内に建立したのが最初と伝えられています。
寛永16年(1639)、川越城主となった松平信綱(まつだいら のぶつな)は、前年の大火で灰燼に帰した町を再生するために新しい町割(都市計画)を実施しました。そのときに鐘楼を十ヵ町の中心地である現在の位置に再建しました。ここで鐘を鳴らすと町の東西南北に均等に鳴り響き、都合がよかったといいます。
最初は2層建てでしたが、火の見櫓(やぐら)としての使用も考えて2層から3層の鐘楼に建て増しされたのは、享保18年(1733)、秋元喬房(あきもと たかふさ)が城主の時といいます。
時の鐘は度重なる火災で鐘楼や銅鐘が焼失しました。しかし、その度に鐘楼の再建や銅鐘の再鋳造を繰り返してきました。ときには鋳造が間に合わなく、城下の寺から寺鐘を借りて時の鐘とすることもありました。明和5年(1768)には長喜院の寺鐘を、安永3年(1774)の大火で焼失した時は行伝寺の寺鐘を借りました。安政3年(1856)の大火で焼失した時は大蓮寺の鐘を時の鐘に代用し、鐘楼完成後は広済寺の鐘を借用して取り付けました。
現在は4代目
現在の時の鐘は明治の大火の翌年に再建したもので4代目といわれています。明治27年(1894)7月26日に完成、江戸時代の形をほぼそのままに再現しました。木造3階建て、高さ16.2メートル、鐘の重さは731.25キロです。
時の鐘の「鐘音」は、平成8年(1996)に環境庁(現・環境省)の「残したい日本の音風景100選」に選ばれ、今も1日4回(6時、正午、15時、18時)、川越の町に鳴り響いています。
時の鐘の写真
【城下町川越の中心にある「時の鐘」】
時の鐘を見学
西武新宿線「本川越駅」から徒歩15分、一番街から鐘つき通りへ入ったところに、城下町川越のシンボル・時の鐘があります。(※見学は自由ですが登ることはできません。時の鐘の奥には、薬師神社、薬師稲荷があります)
【蔵造りの町を見守る「時の鐘」】
【世界糖尿病デー「時の鐘」ライトアップ】
【時の鐘 ブルーライトアップ】
11月14日、川越のシンボル「時の鐘」がブルーにライトアップされました。この日は国連公認の「世界糖尿病デー」。毎年全国各地でブルーライトアップのイベントが行われています。
【夕暮れ時の「時の鐘」】
城下町川越のシンボル
寛永の創建から約400年ものあいだ町の人々に時を告げている時の鐘。終戦後はしばらく使用されていませんでしたが、昭和50年6月10日の「時の記念日」から、再び川越の町に鳴りはじめました。
藩政時代には鐘突き人が1時間ごとに時刻を知らせていました。しかし、現在は電動式で1日4回、6時、正午、15時、18時に鐘の音が鳴り響きます。(1回に6度鳴ります)
人々の心に響く鐘の音、そして蔵造りの町並みがつくり出す音風景……。いつまでも大切にしていきたいですね。
時の鐘のご案内
名称 | 時の鐘(ときのかね) |
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場所(住所) | 埼玉県川越市幸町15-2 地図で確認 |
交通アクセス | 【電車】西武新宿線「本川越駅」下車、徒歩15分 |
電話番号 | 049-222-5556(川越駅観光案内所) |
備考 |
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