日本の航空発祥の地

園内にはたくさんの史跡があります

所沢航空記念公園には、フォール大佐像、木村・徳田両中尉像など、航空発祥の歴史を刻む史跡が数多く残っています。これらは日本の航空の歴史を物語る上で重要な記念碑です。ぜひ園内を散策して探してみてください。

「所沢飛行場」の滑走路跡

このモニュメントがある場所は、日本最初の公式飛行場「所沢飛行場」の滑走路にあたります。この滑走路で明治44年(1911)4月5日早朝、徳川好敏大尉操縦のアンリ・ファルマン機が初飛行（※1）を行ないました。

高度10メートル、飛行距離800メートル、飛行時間1分20秒。フランスで設計されたアンリ・ファルマン機が所沢の空を飛んだのは、1903年のライト兄弟のフライヤー1号による人類初動力飛行から8年後でした。このモニュメントはその偉業を成し遂げた滑走路を永遠にたたえる意味で作成されました。

※1.日本における初飛行は今の代々木公園内です。しかし正式な飛行場ではありませんでした。明治43年12月19日、代々木練兵場で徳川大尉操縦のアンリ・ファルマン機が最初に、次に日野大尉操縦のハンス・グラーデ機が国内初飛行をしています。

フォール大佐の像

大正8年（1919）1月、フォール大佐は日本の航空技術指導のため、フランス航空教育団の団長として来日しました。約19ヶ月にわたり陸軍の将校や技術者を対象に最新の操縦方法や発動機の扱い方、整備方法などを教授しました。フォール大佐は日本の航空技術の向上のみならず、工業界の発展にも貢献した人物です。

木村・徳田両中尉像

大正2年（1913）3月28日、青山練兵場で行われた飛行演習の帰途、木村鈴四郎・徳田金一両中尉の乗ったブレリオ機が下新井の山林に墜落し、日本で最初の航空機事故の犠牲者となりました。木村・徳田両中尉像は、両氏の殉職を追悼した記念塔です。

航空整備兵の像

この像は、昭和18年、彫刻家故長沼孝三氏が第二回大東亜戦争美術展に出品し、翌19年5月21日に、当時この地にあった所沢航空整備学校内に建立されたものです。翼を抱き、空を見上げる航空整備兵3人の姿は、当時の少年飛行兵や整備兵のシンボルとされていました。

大正天皇御駐輦之跡

大正天皇駐輦碑（ちゅうれんひ）は、大正元年（1912）11月、所沢飛行場に大正天皇が来場されたのを記念して建てられました。

航空公園駅の東口、駅前広場にあるモニュメントです。水がカーテンのように流れ落ちる全国でも珍しい壁泉ですが、水しぶきが歩行者にかかるとのことで、現在は水を流していません。

航空公園東側の入り口にある人工衛星型のモニュメントです（詳細不明）。広大な敷地を誇る航空公園には、あちこちにモニュメントがあります。それらを鑑賞しながらの散歩もお勧めです。

（次ページ、所沢航空発祥記念館に続く）