大沢家住宅について
埼玉県川越市の元町にある大沢家住宅(おおさわけじゅうたく)は、呉服太物を商っていた川越の豪商・西村半右衛門が寛政4年(1792)に建てた店舗蔵です。川越にある蔵造りのなかでは最も古く、国の重要文化財の指定を受けています。
大沢家住宅は、明治26年(1893)の町の3分の1を焼き尽くす川越大火の際に焼け残った蔵として、後の川越の商家建築に大きな影響を与えた建物です。間口6間、奥行4.5間、桟瓦葺きの屋根を持つ切妻造り平入りで、江戸時代のシンプルな町屋形式です。川越の町家では大きい部類に入ります。
大沢家住宅の1階では川越の民芸品を販売しています。2階は民家をテーマにした絵画を展示しています。2階への箱階段(階段箪笥)や、ゆるく波打つ階段側面の壁などは一見の価値があります。
大沢家住宅の写真
【川越大火に耐えた大沢家住宅】
大沢家住宅を見学
札の辻から一番街商店街を南下してすぐ左手に、川越最古の蔵造り「大沢家住宅」があります。平成元年から4年間にわたり大規模な修復工事が行なわれたので、創建当初に近い姿を見学することができます。
【土で作られた土格子】
2階にある漆喰で塗り固めた格子「土格子(どごうし)」が印象的。簡素な外観ですが、江戸時代そのままの姿をとどめる大変貴重な建物です。
【稲荷小路から空を見上げる】
【簡素な外観が美しい大沢家住宅】
川越大火と蔵造りの町について
明治26年3月17日、養寿院門前から出火し、折からの強風で一瞬にして川越の中心街を焼き尽くした川越大火。しかし、この大火で大沢家をはじめとして、数軒の蔵造りの家は焼け残りました。
その頃、西洋から耐火建築としてレンガ造りも紹介されていましたが、川越商人たちは焼け残った大沢家の店蔵に注目しました。日本の伝統的な耐火建築である土蔵造りのよさが見直され、その後、多くの商家が競って蔵造りにするようになったといいます。この大火を教訓に川越の蔵造りの町並みは誕生しました。大沢家住宅は川越に蔵造りが増えるきっかけをつくった貴重な建物といえます。
大沢家住宅のご案内
名称 | 大沢家住宅(おおさわけじゅうたく) |
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場所(住所) | 埼玉県川越市元町1-15-2 地図で確認 |
開館時間 | 9:30~15:30 |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始休 |
入館料 | 大人200円、学生150円 |
交通アクセス | 【電車】西武新宿線「本川越駅」下車、徒歩15分 |
電話番号 | 049-222-7640 |
備考 |
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