オルドバイ渓谷について
オルドバイ渓谷(Olduvai Gorge)はタンザニア北部、セレンゲティ高原の東に位置する長さ50km、深さ100mにおよぶ渓谷です。ジンジャントロプス・ボイセイやホモ・ハビリスの人骨化石が100体以上も発見されたこの渓谷は、人類と石器文化の発祥の地として有名です。
※人類の祖先である猿人が現れたのは約380万年~約300万年前とされています。現在の人類に近い旧人(ネアンデルタール人)は約10万年前ごろに現れ、そして現在の人類につながる新人(ホモ・サピエンス)は約3万5000年前に現れたとされています。
オルドバイ渓谷の写真
【オルドバイ渓谷】
1959年、このオルドバイ渓谷で人類史上大変貴重な発見がありました。ケニア生まれのイギリス人、古生物学者ルイス・リーキー(Louis Leakey)博士とマリー(Mary Leakey)夫人が、地層の第1層目から約180万年~約170万年前のものと思われる猿人の化石を発見しました。この化石は、ジンジャントロプス・ボイセイ(Australopithecus-Zinjanthropus Boisei)と名づけられました。
【断層の一部】
さらに、1963年には第2層目の下部から約170万年~約150万年前のものと思われる人骨化石を発見、ホモ・ハビリス(Homo habilis)と名づけられました。「ホモ・ハビリス」は猿人から原人への移行種であり、道具を製作できる「器用なヒト」を意味します。これら「猿人」と「ヒト」の化石が発掘された場所として、オルドバイ渓谷は世界最古で最重要の遺跡といえます。
【ジンジャントロプス・ボイセイ】
オルドバイ渓谷を見渡せる小高い丘には、オルドバイ博物館があります。この博物館には、ジンジャントロプス・ボイセイやホモ・ハビリスの頭蓋骨のレプリカが展示されています。(※頭蓋骨のオリジナルは、ダルエスサラームのタンザニア国立博物館にあります)
【地層別に発見された石器】
さらにオルドバイ博物館では、世界最古の石器文化であるオルドバイ文化~アブビル文化~アシュール文化へと地層を別にして発見された石器や、大昔のゾウ、大きな角のあるヒツジ、巨大なダチョウなど動物の化石を見ることができます。
【類人猿の足跡。子供(左)、大人(右)】
博物館には、およそ360万年前のものと推定される足跡化石のレプリカが展示されています。(オリジナルは風化を防ぐため発見場所に埋められているそうです)この足跡化石は、1978年、マリー・リーキー夫人の率いるチームによって発見されました。
足跡は3人分あります。小さな足跡が一対、その小さな足跡に歩幅をあわせるかのような大きな足跡が一対。そして大きな足跡と重なる小さな足跡が一対あります。どのような構成かは謎ですが、並んで歩いている様子から、小さい足跡が子供、そして子供と手をつなぎながら一緒に歩く父親と、その父親の後をついていく母親(または子供)。360万年前の家族の様子、そんな光景が目に浮んでくるような足跡でした。
【マサイの遊牧】
渓谷を眺めていると、断層の近くに動くものが見えました。マサイの人々によるウシの放牧です。ケニヤ、タンザニアの国境をまたいだ大草原地帯や、このンゴロンゴロ保全地域は、マサイ族の居住が許された地域です。野生動物が生息する地で自由に生きるマサイの人々。人類発祥の地でも昔と同じように自然と共存している姿を見ることができました。
【グレートジャーニーの記念碑】
グレートジャーニーについて
人類は500万年前、東アフリカに誕生したと言われています。そしてアフリカを飛び出しアジアに広がりました。やがて極北の地を経て、ついには南米大陸の最南端パタゴニアに到達しました。この人類の5万キロにも及ぶ大遠征を、グレートジャーニーと呼びます。
日本人探検家、関野吉晴氏がこの大遠征を逆ルートでたどるグレートジャーニーに挑みました。1993年12月5日南米最南端を出発して、2002年2月10日にゴールしました。その記念碑がオルドバイ渓谷にあります。
サファリ体験のご案内
名称 | タンザニアでサファリ体験 |
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場所(所在地) | セレンゲティ国立公園、ンゴロンゴロ保全地域ほか 地図で確認 |
国名(地域名) | タンザニア |
備考 |
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